アパート退去時の原状回復はどこまでするべき?費用相場やトラブル回避の方法など徹底解説
著者:八幡建装 株式会社「アパート退去時の原状回復はどこまでする?」
「原状回復の費用負担の範囲が知りたい」
上記のような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか?
アパート退去時に行う原状回復範囲は、基本的に契約書に記載されています。ただし、記載内容をみてもわからないと感じる場合もあり、費用負担に関して貸主と借主どちらの負担が大きいのか知りたいはずです。
そこで本記事では、アパート退去時の原状回復の範囲を貸主と借主別にご紹介し、費用相場やトラブルを回避する方法なども解説します。
アパートを退去する予定のある方や原状回復の範囲について詳しく知りたい方などは、ぜひご一読ください。
八幡建装は、市川市にある総合リフォーム会社であり、市川市を中心に、船橋市や浦安市などで活動しています。
中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべてリフォームにかかる費用となるため、コスパ良く原状回復工事を実現することが可能です。
市川市や船橋市、浦安市でアパートの原状回復工事を頼みたい方は、ぜひ以下からご相談ください。
目次
そもそも原状回復とは
原状回復とは、リフォームにおいて、改修や改装を行った建物や空間を、元の状態に戻すことを指します。
これは、賃貸物件などでよく求められる要件であり、借主が退去する際に、入居時の状態に戻すことが求められる行為です。
具体的には、塗装や床材の交換など、行った改修工事を撤去し、元の仕様やデザインに戻す作業を指します。
このプロセスは、契約や法律に基づいて行われ、建物オーナーや管理者の規定に適合する重要なステップとなります。
詳しい内容については、国土交通省が提示している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に記載されているので、気になる方は確認すると良いでしょう。
アパートの原状回復はどこまでするべき?
アパートを原状回復する際、どこまですればいいかわからないといった方も少なくありません。
しかし、貸主側と借主側とで範囲が明確に分かれています。本項では、以下2つの費用負担範囲についてご紹介します。
- 貸主の費用負担範囲
- 借主の費用負担範囲
ぜひ参考にしてみてください。
貸主の費用負担範囲
結論からお伝えすると、貸主の費用負担する範囲は、はっきりと定められておりません。ここでいう貸主とは、大家さんや管理会社のことを指します。
ただし、一般的に経年劣化による傷や汚れなどは、貸主側が費用を負担することとなっています。
貸主が費用負担する範囲は、主に以下の汚れや傷です。
- 家具家電の設置により付いた黒いシミや凹み
- 自然現象によるフローリング・畳・壁紙の変色
- 小さな画鋲の穴
例えば、家具家電を設置するとなれば、床が凹むだけでなく、通常使用によって汚れが生じてしまいます。
その場合、「通常使用による傷や汚れ=経年劣化」とみなされるため、借主が費用負担する必要はありません。
テレビ、冷蔵庫は通常一般的な生活をしていくうえで必需品であり、その使用による電気ヤケは通常の使用ととらえるのが妥当と考えられる。 引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 |
ただし、不注意で家具家電を落としてしまったり、家具家電の運搬で床・壁を傷付けてしまったなどの場合は、借主がわに原状回復義務が発生するため、注意が必要です。
借主の費用負担範囲
借主の費用負担範囲は、故意・過失によって劣化または破損させてしまった箇所です。
すなわち、経年劣化とみなされない部分が対象となります。経年劣化ではない原状回復範囲は、主に以下の通りです。
- 重いものを落としてしまい床を傷つける
- 引っ越し時の家具家電を運搬している際に壁にぶつけてしまいできた傷
- タバコによる壁・天井の変色
- 冬場に発生する結露を放置してしまいできてしまったカビやシミ
例えば、冬場は外との寒暖差が原因で窓に結露が発生しやすくなりますが、放っておくとカビやシミになってしまいます。
日頃から掃除や手入れをしていれば防げる事象となるため、経年劣化ではなく借主による原状回復義務とみなされてしまうのです。
結露は建物の構造上の問題で あることが多いが、賃借人が結 露が発生しているにもかかわらず、賃貸人に通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食させた場合には、通常の使用による損耗を超 えると判断されることが多いと考えられる。 引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 |
高額な原状回復費用を請求されないようにするためにも、日頃から掃除や手入れができる部分はしっかりと行い、清潔感を保てるようにしましょう。
アパートの原状回復費用の相場
気になるアパートの原状回復費用の相場ですが、結論からお伝えすると、住んでいた年数や間取りなどで変動します。
居住年数ごとの費用相場は、以下の通りです。
居住年数 | 費用相場 |
〜3年 | 約50,000円 |
4〜6年 | 約65,000円 |
7〜9年 | 約90,000円 |
10年〜 | 約110,000円 |
このように、長く住めば住むほど建物自体、経年劣化が進むため、加味されて退去費用も高くなってしまいます。
一方、間取り別の費用相場は、以下の通りです。
間取り | 費用相場 |
1R・1K | 15,000〜35,000円 |
1DK・1LDK | 20,000〜45,000円 |
2K・2DK・2LDK | 30,000〜50,000円 |
3DK・3LDK | 50,000〜80,000円 |
部屋数が多ければその分、壁紙やフローリングなどの数が多くなり、ハウスクリーニングの費用の相場が高くなります。
上記の費用相場はあくまで目安ですので、詳しい費用については、施工業者に問い合わせてみると良いでしょう。
【部分別】アパートの原状回復費用の相場
先ほどは、アパートの原状回復費用の大まかな相場についてお伝えしましたが、家の部位ごとにも相場が異なります。
本項では、以下5つの部位の費用相場についてご紹介します。
- 床
- 壁
- 水回り
- ドア
- 網戸
詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
床:8,000〜60,000円
床の費用相場は、1㎡あたり8,000〜60,000円です。
床は、普段の生活をしていれば傷つきやすい部分であるため、生活していく中でついてしまった傷は原状回復義務は発生しません。
しかし、物を落として床を凹ませたり、飲み物をこぼした際に放置してシミを作ってしまったりした場合は、修繕費用を支払う必要があります。
汚れや傷の範囲、使用する床材のグレードなどによって、金額は異なるため、気になる方は原状回復時に施工業者へ相談してみると良いでしょう。
壁:1,000〜2,000円
壁の費用相場は、1畳あたり1,000〜2,000円です。
壁についても、通常生活している分には傷つきやすい部分ではありますが、ペットを飼っている方やタバコを吸う方などは、壁を汚したり傷つけたりしてしまう傾向があります。
詳しい費用は、壁紙の交換やクロスの修復など、現状に応じて変動しますし、素材や作業範囲によっても異なります。
高品質な材料を選ぶと費用は上昇してしまうため、壁紙の原状回復費用が心配だという方は、素材や範囲を確認しておき、業者に問い合わせてみると良いでしょう。
水回り:7,000〜30,000円
水回りの費用相場は、1回あたり7,000〜30,000円です。
水回りとは、以下の箇所が該当し、それぞれで費用相場が異なります。
場所 | 費用相場 |
キッチン | 10,000〜30,000円 |
トイレ | 10,000~20,000円 |
バスルーム | 10,000〜20,000円 |
洗面所 | 7,000〜15,000円 |
基本的に、水回りの汚れは原状回復の義務が発生します。理由は、自分たちで日頃掃除や手入れなどができるからです。
仮に掃除して簡単に落ちる汚れであれば費用は発生しませんが、水アカやカビができてしまっている場合は、メンテナンスを怠っているとみなされてしまいます。
上記の費用をかけたくない場合、しっかりと掃除をしておきましょう。
ドア:15,000〜35,000円
ドアの費用相場は、1鍵あたり15,000〜35,000円です。
耐久性やデザインによって費用相場が異なり、玄関ドアや防音ドアなどの特殊なドアは費用が高くなることがあります。
ドアノブやヒンジの交換も含まれることがあり、これらの要素も費用に影響します。施工業者の見積もりを得て、物件の価値保持や改善を考えながら、適切な選択をすることが重要です。
網戸:2,000〜5,000円
網戸の費用相場は、2,000〜5,000円です。
破れや錆びがある場合は修復が必要で、これによって費用が増加することがあります。高品質な網戸や防虫対策が施されたものは価格が上がりますが、快適な環境を提供します。
物件の特性や入居者の利便性を考慮し、プロのリフォーム業者と相談して、適切な選択を行うことが重要です。
アパートの原状回復費用が高すぎる場合の対処法
アパートの原状回復費用が高すぎる場合は、主に以下のような対処を講じる必要があります。
- 金額の内訳を提示してもらう
- 大家さんや管理会社へ価格交渉を行う
- 第三者に相談する
事前に原状回復費用が高かった際の対処法を知っておくことで、不安な思いを少しでも軽減できるでしょう。
それでは、順番に解説します。
金額の内訳を提示してもらう
アパートの原状回復費用が高すぎる場合、内訳を詳細に提示することが重要です。
内訳には床や壁、ドア、網戸などの各項目ごとの費用を含め、工事内容や材料の選択肢も含まれます。これにより、費用がどのように計算されているか理解し、必要な工程を見極めることができます。
また、プロのリフォーム業者と相談して、費用削減や代替案を検討することも重要です。内訳を明確にし、適切な選択をすることが重要です。
大家さんや管理会社へ価格交渉を行う
アパートの原状回復費用が高すぎる際、大家さんや管理会社へ価格交渉を提案することが重要です。
適切なコミュニケーションを通じて、リフォームの内容や材料選定、費用の内訳を説明し、削減の余地や代替案を提示できます。
ガイドラインや契約書と内容を照らし合わせて、根拠をもって交渉することで、原状回復費用を減額してもらえるケースもあるでしょう。
第三者に相談する
アパートの原状回復費用が高すぎる場合、第三者に相談することが有益です。
客観的な専門家やコンサルタントの意見を得ることで、リフォーム内容や費用の妥当性を客観的に評価できます。
ここでいう専門家やコンサルタントといわれる方は、主に以下の方々です。
- 弁護士
- 国民生活センター
これにより、適切な判断と必要な修正を導き出し、物件価値の保持とコスト効率の向上を図ることができるでしょう。
アパートの原状回復費用に関するトラブル事例
アパートの退去時に原状回復する際、費用にまつわるトラブルが起こりやすい傾向にあります。
本項では、アパートの原状回復費用に関するトラブル事例をご紹介します。
- 通常損耗と経年劣化の認識違い
- 原状回復する期間の誤り
- 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の理解が薄い
以下3つの事例を参考にしてみてください。
通常損耗と経年劣化の認識違い
アパートの原状回復費用におけるトラブル事例として、通常の損耗と経年劣化の認識違いが挙げられます。
仮に借主は「通常損耗」と認識していても、貸主は『故意・過失』と認識していると、お互いの意見が一致していないことが多々あります。
借主と大家さんの間で、通常の使用による損耗と経年による劣化を区別できない場合、費用の分担に対する意見の不一致が生じてしまうでしょう。
通常消耗や経年劣化の定義については、国土交通省が提示しているガイドラインに記載されていますが、ガイドラインに記載している内容は拘束力はありません。
そのため、部位ごとにどのくらい請求されるかといったところは、貸主の考え方次第となってしまうでしょう。
原状回復する期間の誤り
原状回復を行う際、原状回復する期間の誤りが生じるといったトラブルも考えられます。
借主と大家さんの間で、退去日から原状回復工事の開始日までの期間が明確でない場合、工事のタイムリーな実施が難しくなり、費用や工程に関する意見の不一致が生じることがあります。
適切なスケジュールの設定と調整を行い、透明なコミュニケーションを通じて、トラブルの予防と解決をサポートします。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の理解が薄い
アパートの原状回復費用に関するトラブル事例として、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の理解が不十分なケースが挙げられます。
借主や大家さんがこのガイドラインを理解していないと、原状回復に関する契約や費用分担に関して誤解が生じる可能性があります。
トラブルを避けるためにも、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の理解を深めましょう。
アパートの原状回復トラブルを回避するための方法
アパートの原状回復トラブルを回避するための方法は、主に以下の通りです。
- 原状回復ガイドラインの内容を十分に理解する
- 特約の内容を理解する
原状回復時のトラブルを避けるための方法を知っておくことで、トラブルを起こすリスクを軽減できるでしょう。
それでは、順番に解説します。
原状回復ガイドラインの内容を十分に理解する
原状回復のトラブルを避けるには、原状回復ガイドラインの内容を理解する必要があります。
ガイドラインは法的拘束力がないため、中には読んでいない貸主も存在します。自分が原状回復ガイドラインの内容を把握していなければ、話が進まずトラブル時になかなか解決に至りません。
ガイドラインを理解しておけば、借主と大家さんの間での契約や費用分担に関する明確な取り決めが可能となります。
プロのリフォーム業者のアドバイスを受けながら、ガイドラインのポイントを把握し、透明性と公正性を確保することが、スムーズな原状回復を保障するための大切なステップです。
特約の内容を理解する
アパートの原状回復トラブルを防ぐために、特約の内容を理解することが重要です。
特約は契約書で具体的に取り決められる事項であり、原状回復に関する責任や費用分担、工事内容が含まれます。
しっかりと把握しておくことで、原状回復の費用分担を明確にでき、未然にトラブルを防げるようになるでしょう。
アパートの原状回復なら八幡建装へご相談を!
本記事では、アパート退去時の原状回復の範囲を貸主と借主別にご紹介し、費用相場やトラブルを回避する方法なども解説しました。
アパートを原状回復する際、貸主側と借主側で費用負担の範囲が異なるため、事前に国土交通省に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を読んでおく必要があります。
それによって費用も異なってくるため、まずはガイドラインに記載されている内容の理解を深めましょう。
八幡建装は、市川市にある総合リフォーム会社であり、市川市を中心に、船橋市や浦安市などで活動しています。
中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべてリフォームにかかる費用となるため、コスパ良く原状回復工事を実現することが可能です。
市川市や船橋市、浦安市でアパートの原状回復工事をしてもらいたい方は、ぜひ以下からご相談ください。