飲食店の売却時に原状回復は必要?工事内容や費用相場なども解説
著者:八幡建装 株式会社
飲食店の売却を考えたとき、多くのオーナーが直面するのが「原状回復をすべきか」という問題です。
原状回復工事の必要があるのかどうかを理解した上で、売却を検討する必要があるでしょう。
そこで本記事では、飲食店の売却時に原状回復は必要かどうかをご紹介し、工事内容や費用相場なども解説します。
八幡建装は、千葉県、東京都全域で飲食店の原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。
中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて原状回復工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。
目次
飲食店の売却時に原状回復は必要か

飲食店の売却を行うにあたり、原状回復が必要なのかどうか悩むオーナー様もいるでしょう。
必要かどうかを見極めるためには、主に以下3つのことを確認する必要があります。
- 賃貸契約で原状回復義務が定められているか
- 居抜き売却が可能かどうか
- 貸主の意向による影響があるか
詳しく解説します。
賃貸契約で原状回復義務が定められているか
飲食店の賃貸契約では、退去時に原状回復を行う義務が定められていることが多いです。
特に契約書の「原状回復義務」や「特約事項」などの条項を確認し、どの範囲まで工事が必要なのかを把握することが大切です。
契約内容によっては、内装や厨房設備の撤去に加え、配管や電気設備まで復旧しなければならないケースもあります。
一方で、原状回復の義務がない、もしくは軽減されている契約もあるため、事前に貸主と相談し、不要な工事を避けることがポイントとなります。
居抜き売却が可能かどうか
飲食店を売却する際、原状回復をせずに「居抜き」で売却できるかどうかも重要なポイントです。
居抜き売却とは、内装や設備をそのまま次の借主に引き継ぐ形で売却する方法で、これが可能であれば原状回復工事を行う必要がなくなり、大幅なコスト削減につながります。
ただし、居抜き売却を成立させるためには、買い手を見つけることが前提です。また、貸主が居抜き売却を認めるかどうかも確認する必要があります。
事前に不動産業者などを通じて市場の需要を調査し、居抜きでの売却が可能かどうかを検討することが重要です。
貸主の意向による影響があるか
飲食店の売却時に原状回復が必要かどうかは、貸主の意向によっても左右されます。貸主が次のテナントを新たに募集する予定であれば、原状回復を求められる可能性が高いです。
一方で、貸主自身が店舗を改装して別の用途で利用する場合や、次の借主が決まっている場合には、原状回復の範囲が限定されることもあります。
そのため、売却を進める前に貸主と交渉し、どこまでの工事が必要かを確認することが大切です。
飲食店の原状回復の工事内容

飲食店を売却するに伴い、原状回復を行う場合の工事内容は主に以下の通りです。
- 店舗の内装・外装の撤去
- 厨房設備や水回り・電気設備を撤去
- その他設備の撤去
- 壁や床などの損傷の修復
- カウンターや客席の間仕切りなどの造作を解体
詳しく解説します。
店舗の内装・外装の撤去
飲食店の原状回復工事では、内装・外装の撤去が必要になることが一般的です。
特に内装については、壁紙や塗装の剥がれ、床材の劣化などが目立つため、入居時の状態に戻すための補修作業が求められます。
また、店舗のデザインによっては、天井に装飾が施されていたり、照明が特殊なものに変更されていたりする場合があり、これらの撤去や修復も必要です。
外装に関しても、看板やテントの撤去が求められるケースが多く、特に建物の外壁に固定されている看板は、撤去後の補修が必要になることもあります。
これらの作業は工事の規模が大きくなるほど費用も高額になるため、撤去範囲を事前に確認し、適切な工事計画を立てることが重要です。
厨房設備や水回り・電気設備を撤去
飲食店の厨房設備や水回り・電気設備の撤去は、原状回復工事の中でも特に手間がかかる作業の1つです。
厨房には大型の業務用冷蔵庫や調理台、ガスレンジ、フライヤーなどが設置されていることが多く、これらを撤去する際には、専門業者による適切な処理が必要となります。
また、グリストラップ(油水分離装置)の清掃や撤去、換気ダクトの取り外しも求められることがあります。
さらに、水回り設備についても、シンクや給排水管の撤去が必要になる場合があり、特に水漏れや詰まりが発生している場合には、修繕工事も必要になることがあるでしょう。
電気設備に関しては、業務用の高電圧電源を使用している場合があり、安全に撤去するためには電気工事士の資格を持つ業者に依頼することが重要です。
その他設備の撤去
飲食店では、厨房設備や内装以外にもさまざまな設備が設置されています。
たとえば、エアコンや換気扇、ダクト、音響設備、監視カメラ、POSレジシステムなどが挙げられます。
これらの設備の撤去も、原状回復の範囲に含まれることが多く、特にエアコンの撤去は冷媒ガスの適切な処理が必要となるため、専門業者による作業が必須です。
また、排煙設備や防火設備などの撤去についても、消防法に基づいた適切な処理が求められます。
撤去後には、壁や天井に開いた穴を塞ぐ補修工事が必要になることもあり、見落としがちな部分ですが、しっかりと対応する必要があるため、注意が必要です。
壁や床などの損傷の修復
飲食店の営業中は、壁や床にさまざまな損傷が生じることが一般的です。
たとえば、厨房では油汚れが壁に付着したり、水回りでは床材が腐食したりすることがあります。
また、客席では椅子やテーブルの移動によって床に傷がついたり、タイルが割れたりすることもあるでしょう。
原状回復工事では、これらの損傷を修復しなければなりません。
特にカーペットやフローリングの張り替えは、店舗の広さによっては高額な費用がかかることもあるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
さらに、壁の穴やひび割れの補修も必要になるため、修繕範囲を明確にしておくことが大切です。
カウンターや客席の間仕切りなどの造作を解体
飲食店では、店内の雰囲気を演出するためにカウンターや客席の間仕切りを設置していることが多いですが、これらも原状回復の際に撤去しなければなりません。
特にカウンターが壁や床に固定されている場合、解体作業が難航することがあります。
また、間仕切りが木製やガラス製の場合、それぞれ適切な処理をしながら撤去することが必要です。解体後には、床や壁に穴が開くため、これらの補修作業も欠かせません。
特に造作物の撤去は作業量が多いため、工期をしっかりと確保し、計画的に進めることが重要です。
飲食店の原状回復工事の費用相場

飲食店の原状回復工事にかかる費用は、工事内容や店舗の広さによって大きく異なります。
一般的には、1坪あたり3万円~10万円が相場とされており、30坪の店舗であれば100万円~300万円程度の費用がかかることが多いです。
ただし、設備の撤去が多くなると、それに伴って費用も上昇します。特に、厨房設備や電気設備の撤去は専門業者に依頼する必要があるため、コストがかかるポイントとなります。
事前に見積もりを取り、工事内容を精査することが費用を抑えるための重要なポイントとなるため、ぜひ覚えておいてください。
飲食店の売却前に原状回復を進める際の注意点

飲食店の売却前に原状回復を進める際、主に以下のことに注意しましょう。
- 貸主(オーナー)との契約内容を事前に確認する
- 原状回復工事の範囲を明確にする
- スケジュールを適切に組むことが重要
詳しく解説します。
貸主(オーナー)との契約内容を事前に確認する
飲食店の売却前に原状回復を進める際には、貸主との契約内容を事前に確認することが必要です。
契約によっては、原状回復の範囲が広く定められている場合があり、想定以上の工事費用がかかることもあります。
また、貸主の意向によっては、居抜きでの売却が可能な場合もあるため、交渉次第で原状回復工事を省略できるケースもあるでしょう。
契約書の内容をしっかりと確認し、必要に応じて貸主と交渉を行うことが重要です。
原状回復工事の範囲を明確にする
原状回復工事を進める際には、どこまでの工事が必要なのかを明確にすることが大切です。
工事業者と事前に打ち合わせを行い、不要な工事を省くことで、コストを削減できます。
また、工事範囲が曖昧なまま進めると、追加工事が発生し、予算オーバーにつながる可能性があるため、契約書の内容を踏まえて計画的に進めることが重要です。
スケジュールを適切に組むことが重要
飲食店の売却と原状回復工事のスケジュールは、しっかりと調整する必要があります。
特に工事に時間がかかる場合、次の借主との契約に影響を及ぼす可能性があるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。
業者との連携を密にし、工期を厳守することで、スムーズな売却につなげることができます。
飲食店の売却をする際は原状回復の必要性があるか確認しよう

飲食店の売却を成功させるためには、原状回復が必要かどうかを事前に確認し、適切な対応を取ることが重要です。
契約内容や貸主の意向をしっかりと把握し、最適な方法で売却を進めることで、余計なコストを抑えながらスムーズに退去しましょう。
八幡建装は、千葉県、東京都全域で飲食店の原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。
中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて原状回復工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。