壁紙の原状回復義務の範囲は?オーナー・入居者別に詳しく解説
著者:八幡建装 株式会社マンションを初めて所有し、テナントとして店舗が入居することを考えると、原状回復の重要性に気づくオーナーも多いのではないでしょうか。
特に壁紙の原状回復範囲は、曖昧になりがちで、迷いやすい傾向があります。
賃貸契約の終了時における原状回復の内容やトラブルを防ぐポイントを把握しておくことは、資産価値を守り、スムーズな運営を行うための重要なステップです。
そこで本記事では、壁紙の原状回復義務の範囲をオーナー、入居者別に詳しく解説します。
八幡建装は、千葉県、東京都全域でマンションの原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。
中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて原状回復工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。
目次
経年劣化であれば壁紙の原状回復義務はオーナー
壁紙の原状回復義務について、経年劣化が該当する場合、その修繕費用はオーナーが負担する必要があります。
賃貸物件の利用において自然に発生する損耗や劣化は、入居者の責任ではなく、物件所有者であるオーナー側が維持管理の一環として対応するべきであると法律上の解釈に基づいているからです。
オーナーとして重要なのは、入居者と契約を結ぶ際に、原状回復義務の範囲について明確に説明し、後々のトラブルを防ぐことです。
原状回復の詳しい責任範囲については、下記の記事で解説しておりますので、合わせてご確認ください。
関連記事:【大家必見!】原状回復義務や範囲を紹介|費用相場も社長が詳しく解説
壁紙の原状回復に伴うオーナー負担の範囲
壁紙の原状回復に伴うオーナー負担の範囲は、主に以下のようなケースです。
- 家電製品により電気やけした壁紙
- 紫外線によってダメージを受けた壁紙
- 画鋲やピンなどによる穴ができた壁紙
- 災害によってヒビや破れが発生した壁紙
詳しく解説します。
家電製品により電気やけした壁紙
電気やけは、家電製品が長時間同じ場所で稼働し続けた結果、壁紙が熱によって変色または劣化する現象です。
一般的には、入居者が適切な使用方法を守り、家電製品が正規の方法で設置されていた場合、このような損傷は通常の使用に伴うものと解釈され、オーナーの負担範囲と見なされます。
特に壁紙が耐熱性を持たない素材であったり、コンセントの配置が構造上特定の場所への家電設置を誘発している場合には、損傷の責任が入居者に転嫁されるのは難しいでしょう。
ただし、入居者が不適切な使用方法を取ったり、家電製品を過剰に使用した結果として壁紙が損傷した場合には、入居者の責任とされる可能性があります。
例えば、電気ストーブを壁に密着させて設置し、明らかに異常な熱が加わった場合などです。
しっかりと確認しましょう。
紫外線によってダメージを受けた壁紙
壁紙の色褪せや変色は、日光が差し込む窓の近くで発生しやすく、物件が立地する方向や建物の設計によっては、入居者が避けられない形で影響を受けることがあります。
このようなダメージは、物件の使用において不可避とみなされるため、入居者に費用負担を求めるのは不適切です。
紫外線による劣化は、壁紙の素材や品質にも影響されます。
高品質な壁紙やUVカット機能が施された窓ガラスを使用していない場合、劣化がより早期に進行する可能性がありますが、これは建物や内装の仕様の問題とされるため、オーナー側の負担と判断される理由の1つとなるでしょう。
画鋲やピンなどによる穴ができた壁紙
画鋲やピンによる穴ができた壁紙は、一般的にはオーナー負担になります。
画鋲やピンによる穴が小さく、数が限られている場合、通常の生活の中で発生し得るものとされるケースが多いです。
例えば、カレンダーや軽量のフレームを壁に掛けるために画鋲を使用した場合、それらは生活上の合理的な利用範囲に含まれると解釈されます。
この場合、修繕費用は経年劣化の一環とみなされ、オーナーが負担します。
しかし、極端に大きな穴が空いている場合、通常の使用範囲を超えていると判断でき、入居者負担にできるため、その点注意して確認することが必要です。
災害によってヒビや破れが発生した壁紙
基本的に自然災害は入居者の責任範囲を超えた不可抗力の事象とみなされ、発生した壁紙の損傷については、オーナーが原状回復の費用を負担するのが一般的です。
地震や台風などの自然災害による損傷は、建物そのものに大きな影響を与える場合が多く、壁紙のヒビや破れはその一部として発生します。
このような損傷は、入居者の通常の使用や管理の範囲を超えたものであり、修繕責任はオーナーにあるでしょう。
ただし、災害が原因であっても、入居者の行動によって損傷が悪化した場合には、その部分については入居者の負担となる可能性があります。
例えば、災害後に適切な報告を行わず、損傷が放置された結果として壁紙の状態がさらに悪化した場合などです。
そのため、オーナーと入居者の間で災害時の対応について事前に明確な取り決めをしておくことが重要です。
壁紙の原状回復に伴う入居者負担の範囲
壁紙の原状回復に伴う入居者負担の範囲は、主に以下のようなケースです。
- 結露によってできたシミがある壁紙
- タバコによるヤニで劣化した壁紙
- ペットの引っ掻き傷がある壁紙
詳しく解説します。
結露によってできたシミがある壁紙
一般的には、結露が入居者の生活習慣や管理方法に起因する場合、その修繕費用は入居者が負担することが適切とされます。
結露は室内と外気の温度差が大きい環境で発生しやすい現象であり、特に冬場には注意が必要です。
例えば、入居者が暖房を使用しながら適切に換気を行わなかった場合、湿度が過剰に上がり結露が発生します。
このような状況では、結露は入居者の生活習慣に起因していると見なされ、その結果として壁紙にシミができた場合には入居者が修繕費用を負担する可能性が高いです。
タバコによるヤニで劣化した壁紙
タバコによるヤニ汚れは、通常の生活の範囲を超えた汚染とみなされ、自然な経年劣化とは区別されます。
そのため、入居者に原状回復義務が発生し、クリーニング費用や壁紙の張り替え費用が請求されることが一般的です。
タバコの煙には多くの化学物質が含まれており、これが空気中に漂って壁紙や天井などに付着します。
このヤニ汚れは時間が経つにつれて壁紙の表面に浸透し、通常の清掃では完全に取り除くことが困難です。
また、ヤニは単に見た目の変色を引き起こすだけでなく、臭いの原因にもなるため、新しい入居者を迎える際には張り替えが必要になる場合が多いです。
ペットの引っ掻き傷がある壁紙
ペットによる引っ掻き傷が壁紙に残された場合、入居者に原状回復義務があります。
特に猫や犬などの爪を持つ動物は、遊びやストレス解消の一環として壁紙に引っ掻き傷をつけることがあります。
これらの傷は、見た目の問題だけでなく、壁紙の耐久性を損なうでしょう。
そのため、通常のクリーニングや軽微な補修では修復が難しく、壁紙の部分的または全面的な張り替えが必要になるケースが一般的です。
壁紙の原状回復費用の相場
壁紙の修繕費用は、一般的に「1平方メートルあたりの単価」で計算され、全面張り替えか部分補修かによっても費用が変動します。
一般的なビニールクロスの場合、材料費と施工費を含めて1平方メートルあたり1,000円から1,500円程度が相場とされています。
たとえば、10平方メートルの壁面全体を張り替える場合、合計費用は1万円から1万5,000円程度です。
ただし、壁紙の種類によっては、より高価なものが選ばれることもあり、デザイン性の高い壁紙や特殊な素材を使用する場合は1平方メートルあたり2,000円以上の費用がかかることもあるでしょう。
詳しい費用については、検討している業者にお見積もりをとるのがおすすめです。
賃貸クロスの原状回復費用相場は、1,100〜1,400円(税抜)となります。
壁紙の原状回復に関するご相談は八幡建装まで
壁紙の原状回復は、経年劣化の場合はオーナーの責任範疇です。
原状回復の範囲でトラブルが起こることが大分め、入居者と契約を結ぶ際に、原状回復義務の範囲について明確に説明しておきましょう。
八幡建装は、千葉県、東京都全域でマンションの原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。
中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて原状回復工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。