焼肉屋の内装デザインのポイントや費用相場をプロが徹底解説
著者:八幡建装 株式会社
「焼肉屋を始めたいが、内装費用が高そうで不安だ…」
「ダクトや排煙設備の種類が多くて、どれを選べばいいかわからない…」
このような疑問や悩みをお持ちではないでしょうか?
焼肉屋の開業において、内装工事は単におしゃれな空間を作るためのものではありません。
「煙・臭い対策」や「油汚れのメンテナンス」といった機能面が経営の成否を大きく左右します。
本記事では、焼肉屋の内装デザインを決める手順をはじめ、、坪単価や費用相場、排煙設備の選び方、集客につながるレイアウトの考え方までを解説します。
八幡建装は、千葉県市川市を中心に、浦安市や船橋市の近隣エリアや東京でも店舗工事を行っており、飲食店の施工実績も多数ございます。
見積もりの段階で自社でできること、できないことを明確にし、最適なプランをご提供します。ぜひ一度相談してみてください。
目次
焼肉屋の内装デザインを決める3つの重要ステップ

焼肉店は他の飲食店と異なり、強力な排煙設備やダクトの配置が、デザインの自由度を大きく左右します。
成功する店舗づくりには、全体像となる「コンセプト」を先に固め、誰に向けた店なのかを明確にしたうえで、現実的な予算配分を行うという順序が欠かせません。
ここからは、焼肉屋の内装デザインを決める重要なポイントを解説します。
コンセプトに基づいたデザインの方向性
内装デザインを決める最初のステップは、店舗コンセプトを明確に言語化することです。
焼肉屋と一口に言っても、「大衆ホルモン焼き」と「高級和牛専門店」では求められる内装が大きく異なります。
コンセプトがデザインの指針となり、どのような体験を提供する店なのかを視覚的に伝える役割を担います。
方向性は、次のようなスタイルに分類して整理します。
- 大衆向け・レトロスタイル
パイプ椅子やポスターを活用し、賑やかで親しみやすい雰囲気を演出します。
あえてダクトを露出させることで、コストを抑えつつライブ感を出せます。 - モダン・スタイリッシュ
コンクリート打ちっ放しや黒を基調とした配色で、デートや女子会にも使いやすい空間を目指します。 - 高級・和風スタイル
木材や竹、和紙などの自然素材を使い、落ち着いた照明でプライベート感を重視します。接待や記念日利用を想定したデザインです。
提供するメニューや価格帯と、内装イメージを一致させることが重要です。それが、顧客の期待に応える第一歩となります。
ターゲット層に刺さる空間演出の工夫
コンセプトが固まったら、次はターゲット層に合わせた空間演出を検討します。年齢、性別、利用シーンによって、居心地のよさは大きく異なるため、顧客目線での細やかな配慮が欠かせません。
ファミリー層を想定する場合は、小さな子ども連れでも安心して利用できるよう、掘りごたつ式の座敷席やベンチシートを多めに配置します。
通路幅も広めに確保し、ベビーカーの移動に配慮することもポイントです。
一方、カップルや少人数利用を想定する場合は、カウンター席やペアシートが効果的です。隣席との視線を遮るパーテーションを設けたり、照明を落としてムードを演出したりすることで、会話を楽しみやすい空間になります。
また、ビジネスパーソンの接待利用を狙うのであれば、完全個室の設置は欠かせません。
ターゲットが求めている「過ごし方」を内装で具現化することが、リピーター獲得につながります。
競合店と差別化するための独自性
周辺に競合する焼肉店が多い場合、内装による差別化は重要な要素です。
差別化の軸は、「視覚的なインパクト」と「体験価値」の創出です。
- フォトジェニックな空間
ネオンサインや特徴的な壁画を取り入れ、SNSでの拡散を意識した演出を行います。 - ショーケースの活用
入り口付近に肉の熟成庫(ミートセラー)を設置し、品質の高さを視覚的に伝えます。
入店時の期待感を高める効果もあります。 - オープンキッチンの導入
肉を捌く様子や炭火を起こす工程を見せることで、ライブ感とシズル感を演出します。
単にきれいに整えるだけでなく、記憶に残る仕掛けを内装に組み込むことが、集客力の高い店舗づくりにつながります。
焼肉屋の内装費用と坪単価の相場(10坪〜30坪)

焼肉屋の開業に伴い、気になるところは内装工事費用です。
ここでは、広さ別の費用目安と、コストを抑えるための考え方について整理します。
【広さ別】内装工事費の目安一覧表
焼肉屋の内装工事費用は、店舗の広さによって総額が変わります。一方で、坪数が大きくなるほど坪単価は下がる傾向があります。
これは、厨房設備や空調などの基本設備に、一定の固定費がかかるためです。
以下は、スケルトン物件から施工する標準的な焼肉屋を想定した、広さ別の内装工事費用の目安です。
| 坪数 | 坪単価の目安 | 工事費総額の目安 | 特徴 |
| 10坪 | 70万〜100万円 | 700万〜1,000万円 | ワンオペや少人数運営向け。席数が限られるため、客単価を高めに設定する必要がある。 |
| 20坪 | 60万〜90万円 | 1,200万〜1,800万円 | 個人店として一般的なサイズ。レイアウトの自由度が高い。 |
| 30坪 | 50万〜80万円 | 1,500万〜2,400万円 | ファミリー層や団体客にも対応可能。ダクト配管計画がコストに影響。 |
上記はあくまで目安であり、選ぶ内装材のグレードや排煙設備の仕様によって金額は変動します。
特に10坪前後の小規模店舗では、坪単価が高くなりやすいため注意が必要です。
スケルトン物件と居抜き物件のコスト差
物件選びでは、「スケルトン物件」にするか、「居抜き物件」にするかによって、初期費用に大きな差が生じます。
スケルトン物件の場合
内装やレイアウトを一から設計できるため、理想に近い店づくりが可能です。その反面、給排水、電気、ガス、そして高額なダクト工事を全て新設する必要があります。
焼肉屋では床下配管のために床上げ工事が必要になるケースも多く、坪単価は80万円以上を想定するのが一般的です。
居抜き物件の場合
前テナントが焼肉屋であれば、既存のダクトや厨房設備を流用できる可能性があります。条件が合えば、坪単価30万〜50万円程度での開業も可能です。
ただし、ダクトの老朽化による油漏れや、排気能力不足といったリスクもあります。契約前に専門業者による設備診断を行い、想定外の修繕費が発生しないか確認することが重要です。
内装費用を予算内に収めるためのコツ
内装にこだわり始めると、予算は膨らみがちです。
満足度を下げずにコストを抑えるためには、メリハリのある予算配分が欠かせません。
基本は、「お客様の目に触れる部分」に重点的に投資し、「見えにく部分」で調整する考え方です。テーブルや椅子、メニューブックなどの什器は質感を重視し、壁紙や天井の塗装は安価な素材を選ぶといった方法が挙げられます。
壁の一部に古材やタイルなどの高価な素材をアクセントとして使い、その他の面積はシンプルなクロス貼りにするだけでも、空間全体の印象は引き締まります。
また、厨房機器を中古で揃えるのも有効です。冷蔵庫やシンクは、中古でも機能面に大きな差が出にくい設備です。
一方で、排煙設備やロースターは慎重に選ぶ必要があります。故障は営業停止や顧客満足度の低下に直結するため、新品、もしくはメンテナンス保証のある機器を選ぶことが重要です。ここを抑えすぎると、後々のクレームや追加工事につながる可能性があります。
焼肉屋の内装に不可欠な「排煙設備」3つの選び方

焼肉屋の内装において、デザイン以上に重要といえるのが排煙設備です。
肉を焼く際に発生する大量の煙や、油分を含んだ蒸気(オイルミスト)を適切に排出できなければ、店内が煙で満たされるだけでなく、床や壁が油で汚れやすくなります。
排煙設備には大きく3種類に分けられ、それぞれコストや内装デザインへの影響が異なります。
上引きダクト:コスト重視とライブ感
上引きダクトは、七輪やコンロの真上に、天井から吊り下げたフードを設置して煙を吸い上げる方式です。
大衆的な焼肉店やホルモン焼き店で多く採用されています。
メリット導入コストを抑えやすい点が最大の利点です。
天井裏や露出配管でダクトを通すため、床下の工事が不要とあり、施工も比較的容易です。また、ダクトが視界に入ることで、焼肉ならではのライブ感や賑わいを演出できます。
デメリットダクトが視界を遮るため、向かいの席の表情が見えにくく、会話の妨げになる場合があります。
煙が上昇する過程で拡散しやすく、他の方式と比べて排煙効率がやや劣る点も特徴です。面ではダクトの存在感が強くなりやすいため、塗装や素材選びに工夫が求められます。
下引きダクト:高級感と開放感の演出
下引きダクトは、ロースターのすぐ横や下から煙を吸い込み、床下の配管を通して屋外へ排出する方式です。高級焼肉店や、内装デザインにこだわりたい店舗で採用されることが多いタイプです。
メリット天井にフードを設置しないため、視界が広く、開放感のある空間を演出できます。
煙が発生した直後に吸引されるため拡散しにくく、服や髪への臭い移りを抑えやすい点も特徴です。
デメリット床下に配管を通すスペース確保する必要があり、
天井高が低い物件では、床上げによって圧迫感が生じる場合もあります。また、配管が床下にあるため、清掃や点検の手間がかかる点にも注意が必要です。
無煙ロースター:最新設備による快適性
無煙ロースターは、ロースター(焼き台)自体に排煙機能やフィルター機能が組み込まれている一体型の設備です。ダクト工事が不要なタイプ(ノンダクト式)と、排気工事が必要なタイプがあります。
メリット店内をほぼ無煙の状態を保てます。
快適性が高く、臭いを気にする女性客やビジネス利用との相性も良好です。ノンダクト式であれば、ダクト工事が難しい物件でも開業できる可能性があります。
デメリット機器本体の価格が高く、1台あたり数十万円かかるため、席数が多い店舗では初期投資が大きくなります。
定期的なフィルター交換や専門業者によるメンテナンスが必要となり、ランニングコストも考慮する必要があります。予算と想定する顧客とのバランスを見極めることが重要です。
焼肉屋の内装レイアウトで重視すべき3つのポイント

焼肉屋の売上は、「席数」と「回転率」によって左右されます。その土台となるのが、内装のレイアウト設計です。
ここでは、内装レイアウトで重視すべき3つのポイントを整理します。
客単価を上げる「個室・半個室」の配置
個室が設けることで、接待、デート、家族の祝い事など、高単価な利用シーンを取り込むことが可能になります。
レイアウト設計では、完全に壁で囲う個室だけでなく、可動式パーテーションやロールスクリーンを用いた半個室の活用が有効です。
通常は少人数向けの半個室として運用し、宴会時には仕切りを外して大部屋として使うなど、予約状況に応じた柔軟な対応ができます。
また、個室は店舗の奥や角に配置し、オープン席の賑わいから切り離すことで、特別感を演出できます。
個室料を設定すれば、客単価向上にも直結する要素となります。
注文・提供をスムーズにするスタッフ動線
焼肉屋のオペレーション負荷を軽減するためには、厨房と客席をつなぐスタッフ動線の効率化が不可欠です。
生肉やドリンクの提供スピードは、顧客満足度に直結します。
具体的な工夫として有効なのが、客席エリア内にパントリー(中間サービスステーション)を設けることです。
網、取り皿、箸、おしぼり、水などを常備しておけば、スタッフが厨房まで戻る回数を減らせます。網交換や追加注文にも迅速に対応できるようになります。
メイン通路はスタッフ同士がすれ違える幅を確保することが重要です。
目安としては、最低でも90cm〜1.2m程度が望まれます。配膳カートを使用する場合は、段差をなくす配慮も欠かせません。
スタッフがストレスなく動けるレイアウトは、サービス品質の向上と回転率の改善につながります。
掃除のしやすさを考慮した内装材の選定
焼肉屋の内装は、油煙との継続的な戦いです。
どれほど排煙設備を整えても、床や壁には徐々に油汚れが付着します。
清掃がしにくい素材を選ぶと、不潔な印象を与えやすくなり、客離れの原因となります。床材には、油を吸い込みにくい塩ビタイルや、清掃が容易な長尺シート、油汚れが風合いとしてなじむモルタル仕上げなどが適しています。
一方、カーペットや無垢材は油染みが残りやすく、避けたほうが無難です。壁材は、腰から下の腰壁部分にメラミン化粧板やタイルなど、拭き取りやすい素材を採用します。
手の届きにくい上部には、消臭効果のあるクロスを使用するなど、高さによって素材を使い分けると効果的です。
日々の清掃負担を軽減できる内装選びは、長期的な人件費削減にも貢献します。
おしゃれな焼肉屋の内装を叶える照明と色使いのテクニック

機能面が整ったら、次に行うのが「おしゃれさ」や「雰囲気」を決めるデザインの仕上げです。
ここでは、プロが実践している具体的なテクニックを整理します。
食欲をそそる照明(演色性)のこだわり
焼肉屋の主役である肉を、いかに美味しそうに見せるかは照明設計に大きく左右されます。
特に重要になるのが、光の「演色性(Ra値)」と「色温度」です。
演色性とは、自然光の下での色をどれだけ忠実に再現できるかを示す指標で、最大値は100です。
焼肉屋では、肉の赤みを鮮やかに見せるために、演色性(Ra)が90以上の高演色LED電球を選ぶことが基本となります演色性が低い照明では、新鮮な肉であってもくすんで見えてしまい、商品の印象を損ねてしまいます。
色温度は、温かみのある電球色(オレンジ系の光)が適しています。
白い蛍光灯の光は肉を青白く見せやすく、食欲を減退させる要因になります。
テーブル上の肉にはスポットライトでしっかりと光を当て、客席全体の照度はやや抑えることで、料理を引き立てながら落ち着いた雰囲気を演出できます。
汚れが目立たず高級感を出すカラー構成
内装のカラーコーディネートは、デザイン性だけでなく、メンテナンス性も考慮して決定します。
黒やダークブラウン、グレーといったダークトーンをベースカラーにすると、油汚れや煤が目立ちにくくなり、清掃の手間を抑えやすくなります。
同時に、空間を引き締め、高級感やシックな印象を与える効果も期待できます。
一方で、全体を暗色でまとめすぎると圧迫感が生じます。
テーブル天板や壁の一部に木目調を取り入れたり、間接照明で明るさにグラデーションをつけたりすることで、空間全体のバランスを取ることが重要です。
白やベージュなどの淡い色は清潔感はありますが、油汚れが黄ばみとして現れやすい傾向があります。使用する場合は、汚れにくい素材を選ぶか、こまめなメンテナンスを前提に検討する必要があります。
焼肉屋の内装工事を成功させるまとめ
焼肉屋の内装は、単なるデザイン設計にとどまらず排煙・空調・メンテナンス性といった設備計画まで含めて検討すべき、専門性の高い分野です。
内装工事を成功させるためのポイントは、以下の通りです。
- コンセプトとターゲットを明確にし、予算配分の優先順位を整理する
- 坪単価の相場(50万〜80万円前後)を握したうえで、物件選びを慎重に行う
- 排煙設備は、コストだけでなく顧客の快適性とメンテナンス性を考慮して選定する
- 動線と清掃性を意識したレイアウトと素材選びで、運営効率を高める
これらの要素をバランスよく実現するためには、焼肉屋の施工実績が豊富なデザイン会社や工務店に依頼することが重要です。
専門知識の乏しい業者に依頼した場合、排煙不良などのトラブルが発生し、開業後に大きな損失につながるリスクがあります。
本記事を参考に、お客様に長く支持される、おしゃれで快適な焼肉店づくりを検討してみてください。
八幡建装は、千葉県市川市を中心に、浦安市や船橋市の近隣エリアや東京でも店舗工事を行っており、飲食店の施工実績も多数ございます。
見積もりの段階で自社でできること、できないことを明確にし、最適なプランをご提供します。ぜひ一度相談してみてください。
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