店舗を退去する際に避けて通れないのが「原状回復費用」です。この費用は契約内容や店舗の状態によって大きく異なりなります。

適正な費用を知り、トラブルを回避するためには、相場を事前に把握するのも1つの方法です。

そこで本記事では、テナント原状回復の範囲とは、原状回復費用の相場や安く抑える方法などを詳しく解説します。

八幡建装は、千葉県、東京都全域でテナントの原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。

中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて原状回復工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。

テナント原状回復の範囲とは

テナント物件の原状回復に関する範囲は、契約する物件によって大きく異なります。

この違いは、契約内容や物件の種類、立地条件、さらには建物の築年数や設備仕様など、さまざまな要素が要因です。

たとえば、新築物件や高級テナントでは、入居時の状態に厳密に戻すことが求められるケースが多く、壁紙や床材の全面張替え、設備の修理・交換が必要となる場合があります。

一方で、築年数が経過している物件や地域密着型の物件では、経年劣化を考慮して修繕範囲が緩やかに設定されることもあるでしょう。

テナント物件は原状回復の範囲は物件で異なる

テナント物件における原状回復の範囲は、契約内容や物件の性質、さらには賃貸借契約の目的によって異なります。

これには、貸主と借主の間での取り決めや、物件の使用目的に応じた原状回復義務が影響を与えるためです。

テナント物件では、居住用物件と異なり、事業活動に特化した利用が前提となるため、原状回復の範囲が多岐にわたるのが特徴です。

たとえば、オフィス物件の場合、通常、内装工事や設備設置などが行われます。

原状回復においては、これらの内装や設備をすべて撤去し、スケルトン状態（物件引き渡し時の何もない状態）に戻すことを求められるケースが一般的です。

一方、貸主が提供する仕様によっては、床材や壁紙の修復だけが必要な「居抜き物件」として扱われることもあります。

居住用物件はガイドラインが設けられている

テナントの原状回復に関する内容は、特にガイドラインはありませんが、居住用物件の原状回復の範囲はガイドラインで設けられています。

ガイドラインでは、原状回復とは「通常の使用による経年劣化や自然損耗を除き、借主が故意または過失、その他通常の使用を超える使用によって生じた損傷を修復すること」と定義されています。

参考：国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインに示されている原状回復」

たとえば、家具の設置による床やカーペットの凹みや日光による壁紙の変色などは通常使用の範囲内とされ、借主が負担する必要はありません。

一方で、壁に空けた穴やタバコのヤニによる汚れなど、借主の行為が直接的な原因とされる損傷は、原状回復の対象となるケースが多いです。

【テナント別】原状回復費用の相場

原状回復費用の相場は、テナント別によって異なります。ここからは、下記4つのテナントごとの大まかな費用相場をご紹介します。

• 飲食店
• 美容サロン
• フィットネスジム
• クリニック

ぜひ参考にしてください。

飲食店

規模、内装の内容によって変動しますが、一般的な坪単価の目安としては、約5万円から20万円程度です。

この幅広い相場の理由の一つに、飲食店が通常、多くの設備を必要とする点が挙げられます。

たとえば、厨房機器や排気ダクト、グリーストラップ、配管工事など、飲食店ならではの設備が施されている場合、それらを撤去して原状回復するための費用が大きくなります。

特に換気や排水設備の修復には専門的な工事が必要となり、これが坪単価を押し上げる要因です。

また、店舗の内装デザインや素材も費用に影響を与えます。高級感のある内装や特殊な壁材・床材を使用している店舗では、撤去や修復のための工事費が高くなる傾向があります。

一方で、シンプルな内装の店舗や、次のテナントが設備をそのまま利用できる「居抜き物件」の場合には、費用が相場よりも低く抑えられるでしょう。

美容サロン

一般的な坪単価の目安としては、約3万円から15万円程度です。

ただし、この範囲はサロンの規模や設備の内容、物件の所在地などによって大きく異なる可能性があります。

美容サロンには施術スペース、洗髪台、鏡台、配管や電気設備などが設置されており、それらを撤去して物件を元の状態に戻す必要があります。

特に洗髪台の配管工事や給排水設備の修繕は高度な専門技術を要し、費用がかさむ要因です。

また、壁や床材には汚れや水濡れに強い素材が使われることが多く、それらの修復や撤去が必要になる場合もあります。

フィットネスジム

坪単価の相場は一般的に約5万円から20万円程度とされており、設置された設備や物件の規模、立地条件などに左右されます。

フィットネスジムの原状回復では、トレーニングマシンや鏡、大型の音響設備、さらには特殊な床材の撤去が求められるでしょう。

特にトレーニングマシンは重量があるため、搬出に専門的な作業が必要になるほか、床材へのダメージが生じている場合には補修工事も必要です。

また、ジムの床には防振素材や滑り止め加工が施されている場合が多く、それらを撤去して元の状態に戻すための工事もコストに加わります。

クリニック

クリニックの原状回復費用の相場は、一般的な坪単価の相場は10万円から30万円程度です。

クリニックの原状回復には、医療用設備や特殊な内装の撤去が含まれます。診察台や医療機器の搬出はもちろんのこと、それらの設置による床や壁の補修が必要になることが多いです。

また、クリニックの内装は衛生面を重視して設計されているため、防汚処理や耐久性の高い仕上げ材が使用されています。

これらの撤去作業や素材の処分には専門的な技術が求められるため、費用がかさむ要因となるでしょう。

テナントの原状回復費用を抑える方法

テナントの原状回復費用を抑える方法は、主に以下の通りです。

• 退去立ち会い前に処分できるものは自分で処分する
• 契約書を確認しオーナーと交渉してみる
• 複数業者から見積もりをとる

詳しく解説します。

退去立ち会い前に処分できるものは自分で処分する

テナントの原状回復費用を抑えるためには、退去立ち会い前にできるだけ自分で処分することが効果的です。

まず、契約書に記載されている原状回復の範囲を確認し、その中に含まれる設備や備品の処分がどの程度業者に依頼されるのかを把握することが重要です。

その上で、自分でできる範囲のものについては、事前に処分を進めることで業者に依頼する費用を削減できます。

たとえば、不要な家具や什器、使わなくなった機器類などは、自分で処分することが可能です。

特に店舗の移転や閉店時には、多くのものが不要となりますが、業者に依頼すると処分費用が高額になることがあります。

そのため、必要なものだけを残し、不要なものは早めに処分しておくことが費用削減に繋がるでしょう。

契約書を確認しオーナーと交渉してみる

テナントの原状回復費用を抑えるための重要な方法の一つは、契約書を再確認し、必要に応じてオーナーと交渉を行うことです。

原状回復の条件は、契約書に詳細に記載されていることが多く、オーナーと交渉を行う際には、この契約内容に基づいた主張を行うことが基本となります。

契約書をよく理解し、特に「原状回復に関する規定」を精査することが大切です。

契約書には、テナントが退去時にどの範囲まで原状回復を行わなければならないのか、また費用負担がどのように分担されるかについて明記されています。

場合によっては、オーナー側が負担すべき修繕費用や、テナントが負担しなくてもよい部分があることも考えられるでしょう。

そのため、契約内容に不明点や不公平に感じる項目があれば、オーナーと交渉をすることが必要です。

複数業者から見積もりをとる

複数の業者に見積もりを依頼することで、各業者が提示する料金や作業内容を比較ができます。

見積もり内容は、作業範囲や使用する材料、作業にかかる時間などが詳細に記載されるため、どの業者が最も適切かを判断する材料が揃います。

特に注意したいのは、単に料金が安い業者を選ぶのではなく、品質と費用のバランスを重視することです。

低価格を提示する業者でも、サービスの質や納期が不安定であったり、追加料金が発生することもあるため、慎重に選ぶのがよいでしょう。

テナントの原状回復を依頼する際の業者の選び方

テナントの原状回復を依頼する際、業者を選ぶ際は以下のようなことを意識しましょう。

• 原状回復の実績が豊富かどうか
• 安すぎる業者には注意する
• 口コミや評価が高いかどうか

詳しく解説します。

原状回復の実績が豊富かどうか

原状回復作業の経験が豊富な業者は、物件の種類や規模、状況に応じた最適な作業計画を立てることができ、仕上がりにも自信があります。

特に過去に多くのテナントの原状回復作業を行っている業者は、テナント特有の問題や作業の進行具合を熟知しており、効率的かつスムーズに作業を進めることができるでしょう。

建物の設備や内装に関しての知識が深い業者であれば、取り扱う素材や施工方法についても専門的なアドバイスがもらえ、より良い仕上がりを実現することが可能です。

安すぎる業者には注意する

費用を抑えたいと考えるのは自然なことですが、原状回復作業においてあまりにも低価格な業者にはリスクが伴います。

極端に安い価格で作業を提供している業者は、材料費や人件費を削ることでコストを下げている可能性が高いです。

その結果、仕上がりに問題が生じたり、施工後に追加費用が発生したりすることがあります。

複数業者から見積もりをとり、相場感を理解した上で、発注を検討しましょう。

口コミや評価が高いかどうか

口コミや評価が高い業者は、顧客満足度が高いことが多く、信頼できる証拠といえます。

良い評価を得ている業者は、過去に手掛けた原状回復作業において高品質な仕上がりを提供しており、トラブルの少ないスムーズな作業が行われている可能性が高いです。

口コミや評価では、実際の作業内容や対応、納期の遵守など、詳細な情報を得ることができ、業者選びの際に役立つでしょう。

東京都・千葉県の原状回復工事なら八幡建装へご相談を！

テナント物件の原状回復工事は、居住用とは異なり、ガイドラインで明確な定義は設けられていません。

そのため、借りた時の契約内容をしっかりと確認し、原状回復を行うことが必要です。もし、費用を安く抑えたいのであれば、オーナーとの交渉も考えておきましょう。

八幡建装は、千葉県、東京都全域でテナントの原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。

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