原状回復

Restoration

【大家必見!】原状回復義務や範囲を紹介|費用相場も社長が詳しく解説

著者:八幡建装 株式会社

賃貸経営を始めたばかりの大家さんにとって、「原状回復」の対応は避けて通れない課題です。

退去時のトラブルや余計なコストを防ぐためには、原状回復の基本を理解し、効果的な対応策を知ることが欠かせません。

本記事では、原状回復義務や範囲を大家さん向けに紹介し、費用相場も解説します。

八幡建装は、千葉県、東京都全域でマンションの原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。

中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて店舗内装工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。

大家が知っておくべき原状回復工事とは

原状回復工事とは、賃貸物件において退去時に借主が使用中に生じた損傷や汚れを修繕し、物件を入居前の状態に戻すために行われる工事のことです。

主に、壁や床の傷や汚れの補修、設備の修理、そしてクリーニングなどが含まれます。

2020年4月1日に施行された改正民法によって、原状回復工事の対象は以下のようになりました。

賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること
引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

次の入居者が快適に暮らせる状態を整え、物件の資産価値を維持するためには、必要不可欠な工事です。

大家の原状回復義務はガイドラインで確認できる

原状回復工事を行う上で、気になるのが責任の範囲です。大家の原状回復義務は、ガイドラインで確認できます。

ここからは、下記2つについて深掘りします。

  • ガイドライン記載の原状回復義務
  • 原状回復義務の判断基準

詳しく解説します。

ガイドライン記載の原状回復義務

原状回復工事の義務は、国土交通省が作成したガイドラインに明記されています。

先ほどもお伝えしたとおり、原状回復は賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないとしています。

つまり、経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は大家さんが負担する必要があるのです。

原状回復義務の判断基準

原状回復ガイドラインがあるとはいえ、責任の所在を見極めるのは難しいことです。

ガイドラインでは、部分ごとに責任所在が明記されており、事前にしっかりと把握しておく必要があります。

ここからは、下記の部分ごとに原状回復義務の判断基準を紹介します。

  • 壁、天井
  • 建具
  • 設備

詳しく解説します。

床は、カーペットやクロスなどが該当します。原状回復義務の責任範囲は、以下の通りです。

入居者負担1.カーペットに飲み物等をこぼしたことによるシミ、カビ(こぼし た後の手入れ不足等の場合)
2.冷蔵庫下のサビ跡(サビを放置し、床に汚損等の損害を与えた 場合)
3.引越作業等で生じた引っかきキズ
4.フローリングの色落ち(賃借人の不注意で雨が吹き込んだことなどによるもの)
大家負担1.畳の裏返し、表替え(特に破損してないが、次の入居者確保のた めに行うもの)
2.フローリングのワックスがけ
3.家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
4.畳の変色、フローリングの色落ち(日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの)

引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

壁、天井

壁や天井は、壁紙やクロスが該当します。原状回復義務の責任範囲は、以下の通りです。

入居者負担1.賃借人が日常の清掃を怠ったための台所の油汚れ(使用後の 手入れが悪く、ススや油が付着している場合
2.賃借人が結露を放置したことで拡大したカビ、シミ(賃貸人に 通知もせず、かつ、拭き取るなどの手入れを怠り、壁等を腐食 させた場合)
3.クーラーから水漏れし、賃借人が放置したため壁が腐食 タバコのヤニ、臭い(喫煙等によりクロス等が変色したり、臭いが付着している場合) 壁等のくぎ穴、ネジ穴(重量物をかけるためにあけたもので、
下地ボードの張替えが必要な程度のもの) 賃借人が天井に直接つけた照明器具の跡 落書き等の故意による毀損
大家負担1.畳の裏返し、表替え(特に破損してないが、次の入居者確保のた めに行うもの)
2.フローリングのワックスがけ
3.家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
4.畳の変色、フローリングの色落ち(日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの)

引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

建具

建具は、襖や柱などが該当します。原状回復義務の責任範囲は、以下の通りです。

入居者負担1.飼育ペットによる柱等のキズ、臭い(ペットによる柱、クロス等 にキズが付いたり、臭いが付着している場合)
2.落書き等の故意による毀損
大家負担1.網戸の張替え(特に破損はしてないが、次の入居者確保のために 行うもの)
2.地震で破損したガラス
網入りガラスの亀裂(構造により自然に発生したもの)

引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

設備

設備とは、鍵やエアコンなどのその他設備のことを指します。原状回復義務の責任範囲は、以下の通りです。

入居者負担1.飼育ペットによる柱等のキズ、臭い(ペットによる柱、クロス等 にキズが付いたり、臭いが付着している場合)
2.落書き等の故意による毀損
大家負担1.専門業者による全体のハウスクリーニング(賃借人が通常の清掃を 実施している場合)
2.エアコンの内部洗浄(喫煙等の臭いなどが付着していない場合)
3.消毒(台所・トイレ)
浴槽、風呂釜等の取替え(破損等はしていないが、次の入居者確保のために行うもの)
4.鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合)
5.設備機器の故障、使用不能(機器の寿命によるもの)

引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

大家が原状回復する際の手順

大家が原状回復する際、主に以下のような手順で行います。

  • 入居者の立ち会い準備を行う
  • 原状回復の範囲を確認する
  • 入居時の状態と現状を比較する
  • 原状回復の施工業者に見積もり依頼をする

詳しく解説します。

入居者の立ち会い準備を行う

立ち会いは、退去後の物件状態を確認し、原状回復が必要な箇所や責任の所在を明確にするための機会となります。

まず、事前に入居者に立ち会いの日程を調整し、双方が無理なく参加できる日時を設定します。その際、事前に確認するべき項目を共有し、立ち会いが円滑に進むよう準備しておきましょう。

責任所在の範囲をしっかりと勉強しておくことが重要です。ここで揉めるケースが多いので、自分で勉強したり専門家に相談したりすることがおすすめです。

原状回復の範囲を確認する

原状回復を進める際には、まずその範囲を正確に確認することが必要です。

賃貸借契約書や物件引渡し時の状態記録にもとづき、どの部分が入居者の責任範囲に該当するのかを明確にします。

一般的に、入居者が日常使用する中で生じた通常損耗や経年劣化については、賃貸人である大家が負担するケースが多いですが、過失や故意による損傷については入居者が修繕費用を負担することになります。

詳しくは、以下のような感じで責任範囲の所在を明確にしましょう。

  • 賃貸契約の特約条項に記載している
  • 大家負担・入居者負担の範囲をチェックする
  • 入居時の状態をチェックする

修繕箇所によって減価償却にて負担割合を考える必要がある

修繕箇所によっては、減価償却にて入居者との負担割合を考えることも必要です。

減価償却とは、主に固定資産を所有している際に、その資産の価値が時間の経過や使用によって減少する分を会計上で費用として計上する仕組みです。

たとえば、建物や設備、車両、機械などは購入時に多額の費用が発生しますが、その価値は時間の経過や使用頻度に応じて減少していきます。

この価値の減少を会計上で反映させることで、実際の経済活動をより正確に表すことができるのです。

原状回復における減価償却の法定耐用年数は、場所や備品の種類によって異なります。減価償却となる設備や法定耐用年数は、以下の通りです。

設備法定耐用年数
流し台6年
6年
カーペット・クッションフロア6年
冷蔵庫・ガスレンジ6年
冷房・エアコン、ストーブなど6年
便器、洗面台15年
書棚、タンス、戸棚など8年
金属製の器具、備品15年

参考:国土交通省「原状回復原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

入居時の状態と現状を比較する

この工程は、損傷や劣化が通常使用によるものなのか、それとも入居者の過失や故意によるものなのかを判断する基盤となります。

まず、入居時に記録された写真やチェックリスト、入居者と交わした契約書を確認し、それをもとに物件の初期状態を正確に把握します。

特に壁紙、床材、設備、ドアや窓など、目に見える部分だけでなく、配管や電気設備といった見えにくい部分の状態も可能な限りチェックすることが大切です。

原状回復の施工業者に見積もり依頼をする

入居時の状態と現状を比較したあとは、工事に進むにあたり、施工業者に見積もり依頼をしましょう。

まず、信頼できる施工業者を選定することが必要です。不動産管理会社からの紹介やネットから検索し、適切な業者を何社かピックアップします。

複数の業者に依頼し、見積もりを比較することで、費用や作業内容における透明性を確保できるでしょう。

業者選びの際は、多くても3社から見積もりを取り、担当者の対応の速さや工事内容を丁寧に説明してくれるかなどを確認して選びましょう。

施工を依頼する

業者を選定したら、施工を依頼します。

業者との間で修繕の範囲や仕様、費用、工期、保証条件などを詳細に話し合い、すべての内容を契約書に記載しておく必要があります。

次の入居者のために必要な準備を行う

原状回復が完了したら、次の入居者のために必要な準備を行うことが重要です。ここでいう必要な準備とは、以下のようなことが該当します。

  • 設備の動作確認
  • 部屋の写真撮影
  • 入居者の募集

設備の動作確認は、インターホンやエアコン、ガスコンロなどを正常に稼働するか確認し、不具合がある場合には専門業者に修理を依頼します。

部屋の写真撮影は、原状回復の責任所在を明確にするために必要です。

次の入居者募集に向けた準備は、不動産業者との連携を深め、物件の写真撮影や広告掲載の準備を行い、物件の特徴や魅力が適切に伝わるよう工夫しましょう。

大家と入居者で原状回復費用に関するトラブルにあった場合の対処法

大家と入居者で原状回復費用に関するトラブルにあった場合、主な対処法は以下の通りです。

  • 契約書をもとに再度説明する
  • 弁護士に相談する

詳しく解説します。

契約書をもとに再度説明する

契約書には、原状回復の範囲や費用の負担、どの部分が入居者の責任で修繕が必要か、またその費用を誰が負担するかが明記されていることが一般的です。

入居者が故意に破損を引き起こした場合や通常の使用で損傷した場合、それぞれの責任範囲が契約書に記載されています。

トラブルが発生した場合には、この契約書に基づいて、自分の立場がどこにあるかを確認し、必要であれば専門家に相談して適切な判断を下すことが求められるでしょう。

弁護士に相談する

原状回復費用に関して大家と入居者の間でトラブルが発生した場合、解決が難航することがあります。このような場合、弁護士に相談することは有効な手段です。

弁護士は法的な観点から双方の立場を整理し、適切なアドバイスを提供できるため、特に複雑なケースや金銭的な争いが絡む場合には、専門家の意見を仰ぎましょう。

大家負担で賃貸物件の原状回復をする場合の費用相場

一般的には、賃貸物件の原状回復には、壁や床、設備の修理や交換、清掃などの費用が含まれますが、それぞれの項目で必要な工事の規模によって相場が変動します。

原状回復費用の相場は、一般的に以下の通りです。

  • 壁のクロスの張替え:4~5万円
  • 床の張替えや補修:3〜5万円
  • フローリングの張替え:1〜6万円
  • 畳の交換:1〜4万円

ぜひ参考にしてください。

上記はあくまで目安なので、詳しい費用は現場調査を行なった上でお見積もりを算出しますので、ぜひご連絡ください。

東京都・千葉県の原状回復工事なら八幡建装へご相談を!

基本的に、原状回復は経年劣化や通常使用による損耗等の修繕費用は大家さんの負担です。

大家が原状回復する際は、ガイドラインや契約書に記載してある責任の範囲をしっかりと確認しておきましょう。

八幡建装は、千葉県、東京都全域でマンションの原状回復工事も行っており、無料で相談も承っています。

中間マージン費用がなく、お客様がお支払いする費用がすべて店舗内装工事にかかる費用となるため、ぜひ一度相談してみてください。

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