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天井と消防法の関係性|制限内容や起こり得るリスクまで解説

著者:八幡建装 株式会社

「店舗の天井ってどのくらいの高さが必要?」「消防法って天井の素材や仕上げにも関係してくるの?」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

結論から言えば、消防法では天井の高さや内装材の種類、防火仕様などに関して細かな規定があり、違反すると指導や是正勧告の対象になる可能性があります。

本記事では、消防法における天井の基準や規制内容、違反リスクを避けるための注意点について詳しく解説していきます。

八幡建装は、千葉県市川市や船橋市、東京都23区を中心に店舗内装工事を行っており、特に美容室の施工実績が豊富です。

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そもそも天井と消防法にはどんな関係があるのか?

店舗の内装を設計する際、天井のデザインや仕上げ材は見た目だけでなく、法律的な制約も受けます。

特に重要なのが「消防法」に基づく規制です。火災時の被害を最小限に抑えるため、天井材には燃えにくい素材を使用する義務がある場合や、一定以上の高さを確保しなければならないことがあります。

これらの規定を満たさないと、営業許可が下りない、あるいは後に改修命令が下るなどのリスクが生じるのです。

火災時に天井が果たす役割

火災が発生した際、天井は煙や熱、炎の上昇を受け止める位置にあるため、安全確保において重要な役割を果たします。

仮に天井材が燃えやすい素材でできていれば、火の回りが早くなり、避難の妨げになる可能性が高まるでしょう。

特に商業施設では、多くの人が同時に避難する必要があるため、一定の防火性能を持った天井材の使用が求められるのです。

また、火災警報設備やスプリンクラーなども天井に設置されることが多く、その構造や仕様が安全性に直結します。

これらのことから。消防法では天井の仕様に関する厳しいルールが定められており、設計段階からの確認が不可欠です。

消防法の基本ルール

消防法では、「内装制限」として、建築物内の壁や天井に使用される材料の種類や施工方法に対する規定があります。

これらは主に「不燃材」「準不燃材」「難燃材」といった材料区分に基づいており、用途や施設の規模によって使い分けが義務づけられています。

つまり、消防法の基本ルールは、火災の被害を最小限に抑えるために、素材選びから施工方法に至るまで、細かく安全性を確保するためのものなのです。

店舗の用途によって変わる天井の消防法規制

消防法における天井の制限は、店舗の「使い方」や「規模」によって異なります。ここからは、主に以下3つのことを深掘りしていきます。

  • 店舗の種類ごとに内装制限が異なる
  • 施設の規模(面積・階数)によって制限が異なる
  • 用途変更を伴う改装時に伴う天井の制限

店舗の種類ごとに内装制限が異なる

消防法では、施設が「特定防火対象物」に該当するかどうかによって、内装制限の厳しさが変わります。

たとえば、飲食店やカラオケ店、美容室など、不特定多数の人が出入りする施設では、火災時の被害が大きくなりやすいため、天井に使用する素材も「不燃材」や「準不燃材」であることが必要です。

一方で、事務所や倉庫など、人の滞在時間が短い、あるいは管理された空間の場合は、より緩やかな規制になることもあります。

そのため、店舗を開業する際は、自身の業態がどのカテゴリに該当するのかをまず確認し、それに適した天井材を選ぶことが不可欠です。

施設の規模(面積・階数)によって制限が異なる

店舗の面積や階数も、消防法による天井制限の条件を大きく左右します。

たとえば、一定面積を超える大型店舗や複数階にわたる施設では、火災発生時の被害範囲が広がる可能性があるため、より高い防火性能が求められることがあります。

また、避難経路の確保や避難誘導の設備の設置基準も厳しくなるため、それに応じて天井の設計も慎重に行うことが必要です。

特に大規模なリノベーションを伴う場合は、建築基準法との整合性も求められ、より複雑な確認作業が必要となります。

用途変更を伴う改装時に伴う天井の制限

もともと別の用途で使用されていた建物を改装して新たに店舗として使用する場合、用途変更にともなう消防法の適用が発生します。

たとえば、もともと事務所だった空間をカフェや雑貨店として改装する際には、防火対象物としての種別が変わるため、それまでの天井仕様が不適格となるケースがあります。

改装後に消防検査を受けた際、天井材の不適合によって営業許可が保留されることも珍しくありません。

そのため、改装計画の初期段階から消防署との協議を行い、天井材や防火仕様についての確認を怠らないことが重要です。

消防法による内装制限の概要

内装制限とは、建物内部に使用する仕上げ材(天井・壁など)に対して定められた防火性能の制限のことです。

天井に使われる材料には、不燃材・準不燃材・難燃材などの使用が義務づけられることがあり、これは建物の用途や規模、階層などによって変わります。

定義・特徴よく使われる素材
不燃材火災時でも20分間以上、燃えず、有毒ガスも出にくいモルタル、コンクリート、金属板など
準不燃材火災時でも10分間以上、燃えにくく延焼しにくい石膏ボード(特殊処理)、一部の木材など
難燃材料火災時でも5分間以上、燃焼の広がりを抑える難燃処理を施した木材や合板など

内装制限はすべての建物に一律に適用されるわけではなく、建物の用途や規模、階数、避難のしやすさ(避難経路の確保)などによって適用の有無や制限内容が異なります。

たとえば、以下のようなケースでは厳しい内装制限が課されます。

  • 地下街、劇場、病院、ホテルなど不特定多数が利用する施設
  • 地下階、窓がない部屋など、避難が困難な場所
  • 一定の面積を超える店舗や事務所

消防法や関連法令では「内装制限が必要な区画」や「使用可能な材料の区分」が明記されており、店舗や飲食店などでは設計段階でこの条件を満たしていないと、営業許可が下りない可能性があるため、注意が必要です。

天井の消防法制限を守らないとどうなる

消防法に違反した状態で天井を設計・施工した場合、営業面や経済面で大きなリスクを負うことになります。ここでは、その具体的な影響について詳しく見ていきます。

営業許可が下りない・開業が遅れるリスク

店舗を開業する際には、管轄の消防署による立ち入り検査が行われます。

このとき、天井の防火仕様が消防法の基準を満たしていない場合、営業許可が下りず、オープンが大幅に遅れることがあります。

特に新規開業で開店日をすでに告知している場合、スケジュールの遅延によって信用の失墜や機会損失につながる可能性も否めません。

事前の設計段階で法令に即した仕様を確定させておくことが大切です。

改修命令による追加コストの発生

天井の消防法制限を守らないと、改修しなければいけない事態になりかねません。

仮に営業開始後に消防法違反が発覚した場合、管轄行政から改修命令が出されることがあります。

天井材をすべて張り替えるような大規模な改修が必要になるケースでは、施工費用が数十万〜数百万円にのぼることもあるでしょう。

また、改修工事の間は休業を余儀なくされ、売上の損失も発生します。

こうしたリスクを避けるためにも、初期設計から確実に消防法に準拠しておくことが最も経済的な対応といえるでしょう。

行政処分や損害賠償責任を問われる可能性が生じる

消防法違反が重大なものだった場合、店舗運営者は行政処分を受けたり、最悪の場合、刑事責任を問われる可能性もあります。

また、万が一火災が発生し、それが違反状態の天井材によって拡大したと認定された場合、被害者への損害賠償責任を負うことにもなりかねません。

そうした法的・経済的リスクを避けるためにも、消防法に関する正確な知識と確実な施工が必要です。

まとめ:店舗の天井は消防法に沿って設計・施工しよう

店舗の天井は、デザイン性だけでなく、安全性と法令遵守の観点から設計・施工されなければなりません。消防法は火災リスクを最小限に抑えるために細かな内装制限を設けており、違反すると営業停止や改修命令など深刻な影響を受けることになります。

とくに店舗の用途や規模、改装の有無によって規制内容が異なるため、事前に必ず確認し、必要に応じて専門家や管轄消防署に相談しましょう。

八幡建装は、千葉県市川市や船橋市、東京都23区を中心に店舗内装工事を行っており、特に美容室の施工実績が豊富です。

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